好きになっては‥‥いけない人

どこからか
警察官と看護師さんが来て

母は、姉の受付に行き

父は、警察官から事故の様子を
聞かされた。

姉は、
スピード出していて
カーブを曲がりきれずに
ガードレールにぶつかり
側溝に落ちた。

側溝があったから
車は停車したとのこと。

自損事故だ。

車から姉を救出して
救急車や警察に連絡したのが
大輝さんとの事

父は、大輝さんに
「ありがとう。
本当に ありがとうございます。」
と、お礼を言っているのを

私は、少し離れて聞いていた。

そこに手術室から
先生が出てきて
状況の説明があった

「右肩の打撲と
右手の骨折
エアバックが開いたので
これですんだが
ドアのガラスに頭をぶつけて
いるみたいなので
脳波の検査を
今から行います。
それから
あちこちぶつけているので
しばらく打撲熱が出ると思います。」
と、言って
先生は、ストレッチャーに乗った
姉について検査に行った。

母が戻ってきて
大輝さんにお礼を言いながら
「命に別状はありませんので
お帰りになって下さい。」
と、言った。

大輝さんは、
何か言いかけたが
父と母に頭を下げて
「また、明日、伺います。」
と、言って
私をちらりと見てから
その場から離れた。

母は、私に、
「見送りを」と、囁いたが·····
私は、横に首をふった。


その後の脳の検査では
異常は見られずに
母だけを残して
父と私は帰宅することになった。


私の携帯には
大輝さんから
着信の通知があったが

私はかけることは

 しなかった·······

  ······ううん·····できなかった······


病院でみた
 大輝さんの顔が

頭から
 離れな······かったから······
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