あなたと出会うため【完】 番外編【完】

天馬さんとの話が終わり、自分の仕事に戻ろうとした時、後ろから誰かがぶつかってきて私は地面に倒れてしまった。

「ボーッとしてんな！邪魔なんだよ！
鬱陶しい！」

なんで私がこんな扱いを受けなきゃいけないんだろう？悔しくて暫く立ち上がれないでいる私に 手を差しのべてくれる人がいた。

その人は 江本春弥(えもと はるや)さん。樹の会社の先輩で、海星さんの友人だったと思う。

「大丈夫か？うちの人間が悪かったな。後で言っておくから。」

そう言って私の腕をを引いて立たせてくれた。

「大丈夫です。ありがとうございました。色々お騒がせしてすみません。」

謝る私に江本さんは、

「和花ちゃんが悪いわけじゃないじゃん！樹がまいた種なんだから気にしない。
まあ 俺にはチャンスができたけどな。」

「えっ？」

最後の方の言葉が聞こえなかったから、聞き返したけど、江本さんは笑って誤魔化して、私の手にメモ用紙を渡してきた。

「俺の連絡先。何かあれば連絡して。 あっ！何もなくても連絡して。じゃあな。」

そう言って江本さんは仕事に戻っていった。

現場を変わる事になっても今日１日 辛くても頑張ろう！自分に言い聞かせて私も仕事に戻った。