あなたと出会うため【完】 番外編【完】
「久しぶりだな 和花。」

それは、私が人間不信になるきっかけを作った張本人。樹だ!

一体何の用があって来たんだろう?
会いたくなかったよ………

「あのさぁ。」

「なに?」

「俺さぁ、やっぱり和花とやり直したいんだ!」

こいつ何言ってんだ?って心の中では思っていても、裏切られた事がトラウマとしてまだ私の中に残ってるみたいで、何も言えなかった。

その私の態度を樹の都合の良いように解釈したみたいで、笑顔で近づいてくる。

「こ、こ、こっちに………こ、こないで!」

近づいてくる樹が怖くて、来るなって言うのがやっとだった。

「もう一度やり直したいんだ。良いだろ?なっ?」

そういいながら近づいてくる樹に、私は左右に首を振って拒否していることをアピールする………

もうダメ!春弥!助けて!
そう思った時、私の後ろから

「和花?」

私を呼ぶ声がした。
ゆっくり振り返ると、春弥だった。

振り返った私の顔を見た春弥は、察してくれて、すぐ来て抱きしめてくれた。

「和花どうした?大丈夫か?」

春弥が来てくれたという安心感で、何も言えず、春弥にしがみついたまま大丈夫だよ!という意味も込めて、首を縦に振る。

「なんなんだよ!どういう事だよ!」
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