甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
「うん、そこで君に相談なんだけど」

続きは聞かなくてもわかっていた。

「ぷーすけの世話を僕が出張の間みてもらえないかな?もちろん、そのお礼はきちんとさせてもらうつもりだ。風香さんも、君ならぷーすけを預けられるんじゃないかと言ってる」

「でも、私犬なんて飼ったことないし、それに預かっている間にもしもぷーすけに何かあったら私どうしていいか……」

ぷーすけは知ってか知らずか、「くーん」と切なく鼻を鳴らしながら私を見上げた。

「ペットホテルとかは?」

「以前も預けようとしたことがあったんだけどね、何度も言うようにこいつはなかなか気難しくて、その時もゲージの中で暴れまくってケガをしたこともあるんだ。多分見知らぬ場所や人間には短時間で慣れることは難しいと思う」

「でも、どうして私なんかに……」

ぷーすけは私の手をペロッと舐めて笑った。

「僕も風香さんもとても不思議に感じてる。広瀬さんとあの公園で会った縁を。ぷーすけがまっすぐに君に飛んでいったからね。まるで今日、こうなることを予言していたかのように」

「無理なお願いだということは重々承知しています。それでも、ぷーすけを預けられるのは広瀬さんしかいないと思ってるんです。お願いできませんでしょうか?」

風香さんの目が微かに潤んでいるように見えた。


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