甘くてやさしくて泣きたくなる~ちゃんと恋したい
私は短く息を吐き、間宮さんと風香さんの顔を交互に見た。

二人は瞬きもせず私の目を見つめ、その返事を待っている。

こんな私でも誰かに必要とされ、役に立てるのかもしれない。

私を見上げるぷーすけの丸い顔をそっと撫でた。

「私でよければお引き受けします」

途端に間宮さんが大きく息を吐き、目を細めて笑った。

「広瀬さん、ありがとう。こんな無茶ぶり、正直断られてもしょうがないとあきらめてたんだけど。あぁ、よかった」

間宮さんの喜ぶ顔を見てるだけで私まで嬉しくなる。

「本当にありがとうございます」

そう言った風香さんの頬はほんのりピンクに染まり、ようやく緊張の糸がほどけたのかその口元もほころんでいた。

そんな二人をぼんやりと見つめながら本当に引き受けちゃったんだと思う。代行業者からの代行なんて私に勤まるのかな。

でもやるしかないよね。間宮さんと風香さんのために。

絶対母には言えないなと思いながら、早速間宮さんからぷーすけの世話について話を聞く。

そのあと、家の中を案内してもらった。

間宮さんの家は外観同様重厚な品のいい造りで、男性の部屋らしく簡素だったけれど、デザイナーというだけあって置かれた家具はシンプルでとてもおしゃれ。彼の外見のようにどこを見ても清潔感がある。

合鍵を手渡された時、いつの間にこんなにも間宮さんに近づいてしまったんだろうとドキドキ胸が震えた。

知り合って間もないのに合鍵だなんて......。


そしてその一週間後、私は大きなリュックに荷物を詰めて、ぷーすけの待つ間宮家に向かうことになった。 

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