桜の木に寄り添う

守るべき思い

次の日。
 俺とコウは、約束の場所へ向かった。
 いつものカフェだった。

「あの女、ちゃんと来るわよね!?」

「うん、来るはずだよ。」

 カランカラン

「あ!きたきた!」

 堂々とした表情。高いヒールの足音。
 無表情で冷血そのものだった。



「こんにちは!久しぶり!」

 コウが先に、話を切り出した。

「あなたよね!?嫌がらせしたのは!」

 安西は話題を変えた。

「ここね、オープンした時、あの子と最初に二人で来たのよ。楽しそうな顔してたわ。」

「お前、変わったな。昔はそんな顔してなかった。今は化け物みたいだ。」

 ムッとした表情で答えた。

「あなたが、そうさせたんじゃない?いいわ!私達、やり直しましょ?そしたらやめるわ!あの子だってもうどっか行っちゃったじゃない!」

 バシャ!

「何!」

「アンタみたいな女!一生、幸せになれないわ!なつは、私達で守ってみせる!行きましょう!ヒロキ!話にならないわ!」

 俺とコウは怒りを必死に抑えたてカフェを出た。

「何を話ししても変わらないわ!こうなったら、徹底的に戦ってやるわよ!」

 いつも大人な対応のコウ。
 今日は、いつもとはだいぶ違った。

 俺は、なつみを守れるのか。
 守る為に、あの女のところに行くべきか。

 わからなくなっていた。
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