桜の木に寄り添う

この想い

ホテルに戻ってる途中、着信がきた。

「もしもし。」

「なつ?元気か?」

 電話の相手は、よっちゃんだった。

「元気だよ。心配しないで。みんなにもよろしくね?」

「うん、なんかあったら電話してこい。」

「はーい。」

 電話を切った。

 はぁー。
 自分から出てきたけど。
 みんな元気かな。


 その時。
「なつー!」

 向こうから、リエが元気に手を振っていた。

「疲れたねー。明日、部屋案内するから今日は早く休もう!」

 リエと私は、ホテルの部屋へ戻った。

 プシューッ。

 部屋に入るとすぐにビールを取り出し、飲みはじめた。

「私さ、別れてきた。さっき。」

「え?」

「なんで、いつも長く続かないんだろう。見る目ないな!私!」

「リエ……。きっと現れるよ!まだ出会ってないだけ!今日は、飲もう!」

「やっぱり、友達が1番!あいつら、元気してるかなぁ。」

 ーーーーーー
 その頃。

 なつ、元気なかったな。

 よっちゃんは、心配で心配でたまらなかった。
 抑えることのできない。この想い。

 たとえ振られても、抑えられないこの気持ちを胸に。

 周りも見えなくなってしまっていた。

 よっちゃんは、誰にも言わずに、気づいたら、なつみのいる東京へ向かおうとしていた。


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