生まれ変わったら、また会おう
父の死後、記憶があるのは翌年3月。
私が急性肝炎になり入院したところから。
同じ小児科でも年齢によって部屋が分かれていて、
私の年齢の部屋はいっぱいで小学生のいる部屋でいつも過ごしていた。
周りはみんなお姉さん。
どうやってコミュニケーション取ればいいかもわからず一人でベッドで過ごしていた。
そんな時、ひとりの看護師さんが私の担当になった。
その看護師さんは私に、お友達が出来るように一緒に頑張ろうね!と声をかけて、同じ病室の子たちに紹介をしてくれた。
当時流行っていたゲームボーイアドバンスを母が持ってきてくれて、私もポケモンをやっていた事をなかなか言い出せずにいると、看護師さんがポケモンをネタに他のお姉さん達を巻き込んでくれて、それをキッカケに入院しているお姉さん達と仲良くなった。
ゲームの時間も決められていたが、勉強でいなくなってしまうお姉さん達を病室で待ち、母が会いに来てくれるのもとても嬉しかった。
母が帰って悲しくて泣いていたのもほんの数日で、いつも夜に聞こえてくる他の病室からの泣き声を聞きながら寝ていたのがとても懐かしい。そして退院の日、看護師さんと部屋のお姉さん達とお別れをして病院を出た。
そこから私の夢は看護師になった。
父の代わりに私の中で一緒に成長していく夢の存在は本当に大きかった。
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