駆け抜けて、青春
第1章 出会いと、
あれから2年後、4月。


私はついに、待ち焦がれた高校生になった。

中学ではセーラー服だった制服も今日からはブレザーだ。

あの時。
完全に陸上に魅せられてしまった私は、梨由に聞いたり自分で調べたりしながら中学の陸上部のマネージャーになった。

単純明快でもバカでもなんだっていい。
ほんとに、宝物みたいにキラキラした日々。

今の私には、その思い出が多分いちばん大切だ。


けれど、あの時のあの人は今でも見つけられていない。

彼らが走るのを見るのが楽しかった私は、自分で走ることはしなかった。
今ではそれもよかったな、なんて思っている。

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