緑の風と小さな光 第2部

スヴィア

そう言って顔を上げたスヴィアは、かなりの高齢だった。

エルグはスヴィアを一度見たことがあるが違和感を感じた。

少なくとも老人だったという記憶は無かった。

「スヴィア様の御心に響きそうなものを見つけました。」

エイダは恭しく頭を下げて言った。

「その者達の事か?」

「はい。このお嬢さんの歌が素晴らしいので、きっとスヴィア様の心が動くと思い連れて来ました。…名乗って下さい。」

ピアリに自己紹介を促した。

「ピアリと言います。母を捜して旅をしております。」

ピアリも深々と礼をした。

「エイダが褒めるとは珍しい事だ。」

スヴィアはそう言いながら、ピアリよりもその後ろにいるエルグの方を見ていた。

「?」

セレはちらりとエルグを見た。エルグには何か知っている事がある様だった。

エイダはそんな事には構わず

「ピアリ、歌の方は?準備が必要ですか?」

とピアリにきいた。

「大丈夫だけど、できれば伴奏が欲しいわ。セレはヒターラを弾けるのよ。ヒターラはある?」

「…私が以前使っていたものがある。エイダ、それを。」

スヴィアが言った。

エイダは命じられたままにヒターラを持って来た。
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