ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
13. 告白②

「それで……これからどうするの? まさか彼女の要求、のまないわよね?」


しばらくして。
ようやく収まった涙にホッとした私は、頬に残ったアトをぬぐいながら聞いた。

「当たり前だろ」

ライアンはふわりと笑い、私の頭を優しく撫でた。
「今、彼女のパトロン――バックについてる人間を探してる」

「……パトロン?」

「後継者問題に関する噂なんて、普通は外に出ることなんかないセンシティブなネタだ。つまりその情報をシンシアに漏らした奴が、リーズグループ内部にいるってことになる。おそらくその人物を、彼女はかなり信用してるはずだ。いや、操られてるといってもいいかもしれない。出産を決意させるくらいだから」

「操る……あのシンシアを?」

「そう。そして張を名乗ったあのニセモノも、おそらくその人物の指示で動いてると思う」

すべては、シンシアに次期総帥を妊娠させるため……
そんなからくりが見えて、ゾクリとした。


「そ、それで……その人を見つけてどうするの?」

「どういう人物かによるね。交渉が可能なら、できるだけ穏便に済ませたいとは思ってるけど。何らかのギフト、見返りは必要だろうし……」

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