ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
17. 対決~ライアンside

白いシーツの上、横たわるその華奢な体を背後から抱き込んで。
指を、舌を、バニラみたいな甘い肌へ這わせる。

滑らかな背には、肩甲骨がまるで翼のように浮いていて。
そこを歯で刺激しつつ唇で啄むと、ぴくぴくっと可愛い反応が返ってくる。
ふふ、と小さく、笑みがこぼれた。

飛鳥は、愛し合っている時もあまり大きな声をあげる方じゃない。
最初の頃は、彼女が感じてるってことをちゃんと確かめたくて、散々攻め立てて、鳴かせてしまっていたけど――


前に回した手で、胸の膨らみを覆うように愛撫する。
……ほら。

――ぁ、……、んっ

耳が微かに拾う、押し殺した喘ぎやこぼれる吐息の方が、
今じゃよほど、僕を昂らせる。

――ね、ライアン……もう……っ……

振り向き、潤ませた瞳で僕に強請る飛鳥は、おそらくわかっていない。
自分が今、どんなに悩ましい顔をしてるか。
僕が今、どれほどの熱量に耐えているか。

――まだ、だよ。

平静を装って意地悪く言うと、いやいやと、彼女が小さく首を振る。
拗ねたように見上げる黒い瞳に、失望と欲望がせめぎあった、官能的な光が閃き。
僕の中の劣情を、挑戦的に揺さぶった。

暴走しそうになる自分を必死で抑えて。
蜜のように誘いかけるその唇へ食らいつく。

卑猥な音を響かせて吸い……口内深く、舌を絡め合う。

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