ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

本当はいつからか、予感してた気がする。
ライアンはもう、戻ってこないんじゃないかって。

だって彼は今や、世界屈指のセレブリティの一人。
私よりずっと若くて綺麗な女性だって、周囲にたくさんいるだろうし……


「……っ……」
目の前の景色が、みるみるぼやけていく。


ううん。彼には才能も実力もある。
それを生かせる場所にたどり着いたのは確かで、素晴らしいことだし。

きっと喜ぶべきなんだ、彼のために。

たとえ、その隣に自分の居場所がなくても……


「っ……あぁー……ダメだ、なんか最近、情緒不安定……」


情けないなぁって。
あふれる涙を乱暴にぬぐって、天井を見上げてつぶやいたら――


ボコッ


抗議するような、激しいひと蹴り。


タイミングの良さに泣き笑いしながら、お腹をさすった。

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