今あるこの瞬間を…

授業(午前)

今は現代文の授業だ。

「じゃあここのところを…出席番号7番、読んでみろ。」

この教師は、適当に思いついた数字で当ててくるのであまり油断できない。そして今回は、いびきをかきながら寝ている秀明が当てられたのだ。本当に適当に言っているのか疑問である。

「秀明、当てられたよ。」

僕は小声で秀明に言った。

「………」

熟睡しているのか、ゆすっても起きない。今朝あれだけ暴れたから疲れたんだろう。

「7番は金沢だったか。ったくこいつは…。おい中島、起こしてやれ。」

「…承知。」

俊治は少し何かを考え、にやりと笑いながら秀明に近づく。

「おい秀明、起きろ。教卓のところでまた光介がお前を馬鹿にしてるぞ。」

俊治はまた挑発していた。

「……んだと~!!」

秀明が寝ぼけながら教師に殴りかかる。しかし寝ぼけているせいか、簡単によけられてしまう。

「お前は何をしとるんだ!!」

「ガッ!」という音とともに教科書の角が秀明に炸裂した。あれはかなり痛そうだ。

「ぐあっ!うおーーーー!!!頭が割~れ~る~~!!何しやがるんだ!!」

「お前が何をしているんじゃボケ!」

なぜか今度は加奈が秀明の後頭部にヒットさせる。現代文の教科書は厚いのでかなり効いたのだろう。秀明は無言で床に倒れこんでいた。俊治は大爆笑している。

「………」

「返事がない。ただの屍のようだ。」

加奈は、どこかで聞いた台詞を言っていた。

「北村、お前までやらんでいい…。おい長瀬、金沢を保健室まで連れて行ってやれ。」

「あっ、はい。」

僕は秀明に肩を貸し、保健室に連れて行った。
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