僕らは春を迎えない




「やろう」



 そのとき私をかばって挙手をした何某くん(※のちの薮内くん)の存在に

 私の隣で黒板を睨んでいた日野が、南米の草食動物みたく耳をそばだてていたことを







 私は気付いていなかった。








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