只今、愛の診察中につき。


「あぁ、そうそう!響ちゃん、退院決まったよ。おめでとう……!」


そのままぎゅっと抱き締められたけれど
わたしの頭の中が真っ白になってしまって言葉が出てこなかった。


た…いいん…?


ここを退院したって、わたしの帰るべき家はない。

借りていたアパートは引き払ったと親は言っていたし、実家は……

嫌だ。

微かに震え出したわたしに気付いた白井先生が
にこりと笑んだ。

「大丈夫。響ちゃんはなんの心配も要らないよ」


「…え?」


言葉の意図がわからずつい先生の目を深く視てしまった。

「…っ!響…ちゃん?」

「ごっ、ごめんなさいっ!!」

ハッとなりすぐ目を逸らしたけれどー、
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