幼馴染は恋をする
「いいんじゃないの?もう切るぞ」

本人が決めたんだから。早いも遅いも、そういうもんだろ。

「あ、そう…」

何を言わせたいんだ。どうせ俺がもたもたしてるからよとか、早い内にはっきりさせておかないからよとか言うつもりだろ。それって……。知るかよ…。俺の気持ちだけでどうにか出来るもんじゃないだろ。

「じゃあ場所も日時も解ってるわね?大丈夫よね」

「ああ」

「逃げるんじゃないわよ」

「は?」

「まだ間に合うよ」

「…は?」

「あんたがその気なら、お姉ちゃん一人だって味方につくから」

…。…はぁ。

「…フ、なに言ってんだ、…惚けたこと言ってんじゃないよ…」

そんなことしたらおおごとだ。………何もかもぶち壊す、そんな勇気があったとしたら、俺は、俺を選ぶなら、守り抜いてみせる。……けどな。…。

「はぁ、あ、そう。じゃあもういい。当日まで悪夢にうなされるといいわ。じゃあね」

…なんだよ悪夢って…。悪夢なんて、夢なんて、しょっちゅう見てるよ。あいつのな。
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