新・イジメ.COM
そう考えている間にも時間はどんどん進んで行く。


「吉谷と志田と武智なら、さっさと名乗り出た方がいいぞぉ?」


田中先生はニヤついた笑みを貼りつかせて言う。


あたしはそんな先生から視線を逸らせた。


この状況を楽しんで、人を犯人扱いしているなんて信じられない。


見ているだけで気分が悪かった。


《残り30秒で名乗り出なさい》


残り30秒……。


やっぱり大志は名乗り出ないつもりなのだろう。


1組の教室の中は静まり返り、ただ時間が経過するのを待っているように見えた。


秒針が動くカチッカチッという音がやけに耳障りに感じられた。


そしてそのまま30秒が経過した時、ふいにモニターに電気が付いた。


そこからか操作されているようだ。


画面に映し出された映像は学校の廊下だった。
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