新・イジメ.COM
「今まで名指しされた人たちって、もっと過激だったよね? 殴ったりけったり、わかりやすいイジメだった」


「そうだけど。でも、もう十分じゃない?」


今だって、あたしたちは美文を置いて2人でここへ来たのだ。


昼休憩中は美文をシカトする。


渚はそう決めていたようだ。


「普通ならね? でもこの学校は普通じゃないじゃん。視聴者を楽しませなきゃいけない。あたしのやっているイジメ方で、満足してくれてるかどうかわからないしさぁ」


そう言う渚はどこか楽し気で、あたしは眉を寄せた。


「まさか渚、イジメを楽しんでないよね?」


そう聞くと、渚があたしを見てプッと噴き出した。


「なに言ってんの真奈美」


そう言って本当に可笑しそうに笑う渚に、ホッと安堵する。


やっぱり、ただの演技みたいだ。


そうだよね、美文は友達なんだから。


そう思った時だった。


「あたしたち中学の頃散々クラスメートのことイジメてきたじゃん。何今更いい子ぶってんの?」
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