新・イジメ.COM
別れる
それからのあたしたちはなにをしたのかあまり覚えていなかった。


気が付けば何人かの先生が倉庫の中にいて、渚の体を運んで行ってしまった。


渚がどこへ連れていかれたのかわからないまま、あたしと渚は女子寮に戻ってきて談話室のソファに座っていた。


そして美文に届いたイジメ.COMからのメールを確認してみると……。


《武智美文はイジメに成功しました。成績プラス50パーセント》


「まじで……?」


美文はその文面を読んで目を丸くし、呟いた。


「麻子ちゃんの時は10パーセントだったのに、どうして?」


そんな疑問が浮かんできた時、イジメ.COMの説明を思い出した。


そう言えば動画の内容によっては変動すると書いてあった気がする。


自分に届いたメールは消してしまっているから確認のしようがないけれど、確かそうだったハズだ。


メールにそれ以外のことはなにも書かれていない。


「渚を殺したのに、何の罪にも問われないってこと……?」


美文がスマホに視線を落としたままそう呟いた。

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