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翌日、浅川高校へ登校してきたあたしは校舎を見上げてため息を吐いた。


昨日までキラキラと輝いて見えたこの場所は、今日は灰色にくすんで見えた。


「きっと佐野君は来てるよ」


あたしの隣を歩いていた渚がそう言った。


その言葉は自分自身を安心させるために口にしたように、感じられた。


「そうだね。今日から普通に授業が始まるし、そうすれば大丈夫だよ」


授業が始まれば大丈夫。


そう言ったのは美文だったけれど、表情は険しかった。


授業が始まったってなにかが変わるワケじゃないだろうと、すでに理解しているような顔だった。


とにかく、今は教室へ向かうしかないのだ。


あたしは重たい足を引きずるようにして校舎へと向かったのだった。

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