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「本当にそう思う? こんな無駄なことしてていいと思う?」


渚が教科書を持ってそう言った。


「無駄だなんて……」


美文がそう呟いて俯いた。


「そうだよ。無駄なことなんてないよ」


そう言うと渚は呆れたように鼻で笑った。


「無駄なことはあるよ。努力の仕方を間違ってたら、前に進む所が後退しちゃう」


「あたしたちの努力の仕方が間違ってるっていうの?」


あたしはそう聞いた。


「そう。この学校に入学した時点で、いくら勉強したってもうダメなんだよ。だって、こんな島の隔離空間なんだよ?」


「それなら、渚はどうすればいいと思ってるの?」


美文がそう聞いた。


すると渚は大きく息を吸い込んで「島や学校から逃げる方法を考える。1年生全員で団結して監視状態を崩壊させるとか、方法はあると思う」と、言った。

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