ビター・シュガー

2年前、このルームシェアハウスに越してきた俺は、とにかく生活が荒れていた。
それは、学生時代から付き合っていた彼女からの裏切りのせいだってことは自覚していたけれど…敢えて無視して悔しい気持ちに蓋をした。


「淳史〜?今日は何する〜?」

「メシ食ったらホテルでも行っちゃう?めっちゃシたい気分だわー」

「やーだー!露骨ー!でも、そんな淳史も好きだよー?」


そんな下世話な会話を繰り返すことが当たり前の、女の取り巻きを抱え、26歳過ぎても堕落している自分をどこか冷めた思考で見ていて、幾夜も温もりを求めていた。


一度ハマったら、その沼から抜け出せないのは、人間の性なのか…。
暫くは、そんな生活が主流になっていた。

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