自分より大切なもの



 ・・・あぁ……寒……。ついに始まった、私の素敵な素敵な冬休み……補習授業という名の。
だいたい教室、暖房付いてんのかよ。凍えながら勉強すんのなんてホントにごめんだわ。




 
    ガラガラガラーーー。




    シーーーーン……。





 ・・・いやー、寒い教室に自分一人しか居ないって、こんなに冬を感じることって他にないね。





椿
「はぁ………。」




 昨日の日直の名前がまだ消し忘れて残っている黒板を見つめ、椿は一つ、ため息をついた。
すると何やらガヤガヤと廊下から騒がしい声が聞こえてきた。



  

    ガラガラガラーーー。





夏樹
「そんでさぁー!春菜の元カレ、めっちゃイケメンなのー!!マジ焦ったー!!」




「マジで??誰似だった?」





 ・・・こいつら、今が冬だって事忘れてない?なんかめっちゃ元気なんですけど……担任の言ってた残り二人か。すげーうるさそう……。




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