愛のかたち
『うちの店ならすぐわかるんだけどね。』


わたしたちがウロウロしながら探したいたのは【タイヨウのうた】。

この主題歌の曲が好きで、レンタルになったら絶対見ようと心に決めていた。


ちょうど孝浩くんも見たいと言ったことだしこの機会にということに。


やっと見つけてレンタルすることができた。

DVDを持って、初めての孝浩くんの家へわたしは向かった。

孝浩くんの家は住宅街の中にある2階建てのアパートで結構新しい方だった。

1DKの部屋で、ちょっと雑誌や洋服で散らかってはいたけど男の1人暮らしにしてはいいと思った。

タバコと孝浩くんの香水の香りが交錯してる。

窓側に置かれているベッドを背もたれにして、わたしたちは並んで座り、DVDを見た。



実はわたしはまだ緊張していて、ちょっと内容が最初のほうは頭に入らなかったけど、最後は号泣した。



『ほんっとかっこいいね、こうじ!!!まじ曲もいいし映画も最高!!』

わたしはティッシュで鼻を押さえながら言った。

『この役はかっこよすぎるね。この俳優高感度アップ。』

笑いながら孝浩くんは言ったが、実は涙ぐんでいたのをわたしは知ってる。



こんな話をしていたらいつの間にかもうすぐバイトの時間。

『やばっ!!急がなきゃね。』

わたしは軽くメイクを直してまた孝浩くんの車で出かけた。

地獄のカミングアウトをしなきゃいけないバイトへ。
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