愛のかたち
６．意外な展開
『新垣さん？原口くんと付き合ってるそうね。』


わたしは孝浩くんと付き合った翌日のバイトでロッカーで沢村さんに会った瞬間、挨拶もなしに言われた。

わたしは沢村さんがこわすぎて目を見れず、せめてここくらいは見ようと思い沢村さんの口元を恐る恐る見ながら

『はい。そうです。』

と言った。



その瞬間沢村さんは意外にもわたしを見て微笑みながら

『そう。やっぱりあなたたちはお似合いかもね。』

そう言ってロッカーを出て行った。



わたしは呆気に取られた。



へ？？笑ってた？？

てか不気味なんですけど！！！！



何か裏があるとわたしは思っていた。

そう覚悟しながらロッカーを出て、カウンターへ行った。



でも、今日１日、沢村さんは前までのような冷たい言い方は一度もしなくて、逆にわたしがバイトに初めて来たときのように優しかった。

それどころか、学校のこととかで話しかけてきたりもした。

この数ヶ月、私生活の話をしたことはなかったのに。

わたしは何かある、何かあると思い、冷や汗までかいてしまっていた。

今日は孝浩くんは休みだったのでいじめられるの覚悟してビクビクしていたのに。


でもわたしの予想は当たらず、そのままバイトは終わってわたしは来たときと同じく沢村さんとロッカーで一緒だった。



ロッカーの中で沢村さんが

『今日暇？ちょっとごはん食べにいかない？奢るから。』

とまた不気味なことを言った。


これだ、これで何かされる！！！


絶対そうだと思った。

沢村さんにバイト先の飲み会すら誘われなかったのにごはんに、しかも２人で行くのに誘われるなんて当然初めて。

返事に困った。
< 110 / 386 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop