愛のかたち
『着ちゃった。』

わたしはアリスの衣装を身にまとい、かわいい声で言って孝浩くんのほうに歩いた。

孝浩くんはわたしをギュッと抱きしめて

『かわいい。やばい。てかこれ、誰も見せたくないんだけど。』


『やっぱり孝浩くんにだけ特別サービスでこの衣装でもれなく・・・』

上目遣いで言っている途中で孝浩くんは激しいキスをした。


でも、この衣装はエッチしにくいったらありゃしない。

結局最後は裸になっていた。


『コスプレは燃えた??』

『いや、制服のほうが・・いいです。』


恥ずかしそうに本音を言う孝浩くんがまた可愛かった。



『エッチだね~!!あ、孝浩くん、実はわたしミスコンにも選ばれてるの。』

やった後にくつろいでる孝浩くんの胸元で呟いた。


『ミスコン?咲貴なら当然と言えば当然だな。でも言いにくいんだけど俺、咲貴の文化祭の日、俺らも文化祭で・・。サークルで焼きそばするから行けそうもないんだ。ごめん。』

『えぇー!?まじで・・。』

わたしは申し訳なさそうな顔をしている孝浩くんにガッカリした感じで言った。

『そんな悲しそうな顔すんなよ。体育祭なら来れる!!』

『体育祭は・・来なくていいや。』

わたしは完全にスネていた。



自分で可愛くないということくらい分かっているけど止められなかった。

でも孝浩くんも悲しそうな顔をしていることに気付いた。



『月曜日まで学祭でしょ?月曜代休だからわたし遊び来る。』

その瞬間孝浩くんは嬉しそうに

『言ったからな。絶対来いよ。』

と声を弾ませて言っていた。

子どもみたいに。
< 144 / 386 >

この作品をシェア

pagetop