愛のかたち
孝浩くんたちのサークルから結構離れたところまで歩き、孝浩くんは立ち止まってわたしと繋いでいた手を離した。

わたしがその手をチラッと見た瞬間

『昨日、何で連絡くれなかったの?』

ちょっと不機嫌そうな顔で孝浩くんがわたしを見ていた。


『だってその前だってメールも来ないし、電話も出ないし、家もいないし。だから昨日連絡しても意味ないかなって・・・。しかも昨日夜中まで拓海と陽司いて話してたし・・。』

『ミスコン選ばれたんだろ!?それくらい報告の連絡してくれてもよくない?』

次は不機嫌そうな顔じゃなく、不機嫌丸出しで言った。


『孝浩くんだって・・返事くらいくれてもよくない??』

わたしも負けずにちょっとムッとして言い返した。

わたしだってこの前連絡を全部無視されたのは悲しかった。


『あの日は・・怒ってたし。』

『次の日も怒ってるって思うのが普通じゃない?連絡なんて怖くてできないよ。』

『咲貴は普通、連絡の1つくらい送るだろ。』

『なんでー!?またシカトされると思いながら?やだ、そんなの。』


わたしたちはこんな調子で言い合いをしていた。

ジロジロ見られている目線も全く気にせずに。


『もういいや。まじだるい、お前。もう帰って。』

呆れるように最後に孝浩くんは目線をわたしからはずして言った。


『なんでそうなるの?逃げてばっかり。もう話もできないなら付き合えないじゃん。』

わたしも嫌気がさしてこの言葉を口走った。


『別れたいんだろ?尾上と付き合いたいんだろ?最初から言えよ。最初からあいつと付き合えばよかったじゃん。』


孝浩くんは遂に俊くんの名前を出してきた。
< 171 / 386 >

この作品をシェア

pagetop