愛のかたち
純くんが1番に口を開いた。


『なんでこうなったの?たしか俊くんは行方がわからなくなってなかった??』


それに2人が頷く。


『はい。そうです。俺は今自動車の部品工場で働いてます。寮住まいです。咲貴ちゃんの誕生日の日に俺はお祝いのメールを送ったんです。1年以上ぶりに。返事が来てももちろん返事をする気はなかったんです。本当に。でも、原口さんが何度も何度もメールをしてきました。俺が間違ってたって。そして・・・咲貴ちゃんも俺が忘れられないから一生のお願いだから卒業式の日に迎えに来てやってくれって言われたんです。最初はシカトしてました。でも、原口さんが本当に何度も入れてきて・・それで原口さんと電話したんです。そこでも本気でお願いされました。それで俺も咲貴ちゃんを忘れることが出来ていなかったんで・・迎えに行きました。』


『そうなの・・・。』


知香ちゃんは話を聞いて呟いた。

そしてわたしの顔を見て言った。


『咲貴、咲貴は俊くんのことが好きなのよね??』


知香ちゃんはわたしを真っ直ぐに見つめ、首を傾けている。


『うん、そう。わたしもずっと引きずってた。』


『じゃあ、そもそもあんた達は何で別れたわけ??』


『そうだよそうだよ。』


知香ちゃんと理沙ちゃんが交互に言う。

理由を知っている純くんは黙っていた。



『俺が去年の夏まで韓国籍だったからです。それを知っていた原口さんが俺たちは別れたほうがいいと言いました。』


俊は2人を交互に見ていた。

もう隠さないというような強い表情。

さっき強張った顔だったけどもう吹っ切れたんだろうな。



『去年の夏までってことは帰化したの??』


『はい、しました。』


驚いている姉2人の変わりに純くんが聞いてくれた。

純くんはもう知っていたので落ち着いている。
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