わたしの願い

付き合いはじめたのを聞いて、どうしようもなく壊したくなった。

でも、本当は違う。

お姉ちゃんのことを本当に守れる人なのか、お姉ちゃんのことを大事にしてくれる人なのか、それが知りたかったんだ。


わたしは、お姉ちゃんのことを本当に嫌いだったわけじゃない。


寂しかったんだ。

そして羨ましかった。

勉強も運動もできて、愛する人がいて、陰で見守ってくれるお母さんとお父さんがいて。

本当はお姉ちゃんのこと、大好きだった。

もっと話したかったし、遊びたかった。


お姉ちゃんがいなくなったとわかったとき、はじめてそれがわかった。


そして必死に探してくれる龍希くんの姿をみたときほっとした。

この人ならお姉ちゃんのこと幸せにしてくれるって確信できたから。
< 191 / 309 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop