わたしの願い

「愛?」

「ごめん、暑いよね」

「ううん、大丈夫」

わたしは龍希くんを抱きしめた。

太陽が照り付けていて暑いはずなのに、やっぱり心地いい。

「あのね、龍希くん。わたし、龍希くんしかいないよ。この先もずっと。渉くんには感謝してる。命を助けてもらったから。この命があそこで終わってたらわたしは家族の想いも知らないまま死んでいたかもしれないから。

でもね、龍希くんにはもっと感謝してる。龍希くんのおかげで前を向けてるし、龍希くんのおかげで毎日楽しくて幸せなの。高校入ったころは想像もつかなかった。こんな未来があるなんて。こんなに生きててよかったって思うことなんて。
だからね、信じてほしい。わたしは龍希くんが大好き」

「愛・・ごめん。ありがとう。俺も大好きだよ、この先もずっと、愛をずっと愛すよ」

わたしだって不安もたくさんあった。

龍希くんはかっこいいからいつかわたしを捨ててしまうんじゃないかとか。

でも今日のおかげでさらに2人の仲は縮まった気がする。

わいわいと騒ぐ声が聞こえる中わたしたちはずっと抱き合っていた。
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