わたしの願い

龍希side




「お前ほんと生きててよかったな」

「おう、ありがと」

さんざんクラスのみんなから心配されて、よかったねといってもらってまたこれだ。

でもそれくらい昴も心配してくれていたと思うと嬉しくなる。

「愛ちゃんひとりにするわけにはいかないもんな」

それに昴は愛のことも心配してくれてるからありがたい。


「当たり前だ。俺は愛を残して死んだりしない」

「ひゅー、かっこいいね龍希くんは」

「本当に、思うんだ。死ななくてよかったって」

昴の軽口をスルーして答えると昴も真剣な顔になった。

「死んだらさ、どうなるんだろうな。俺考えたことなかったけど、でも今回のことでわかった。人って本当にいつなにがあるかわかんないんだよな。運命ってなんだろうな」

「そうだな。でも、だからこそ面白いよな人生って。なにがあるかわかんないし、楽しいことだけじゃなくてつらいこともたくさんあるけど、でも人はそれでも生きていくんだもんな」

「不思議だよな。俺たちがこうして出会ったことも、俺と愛が出会ったことも、全部」

「だな。運命ともいうし、それを奇跡、ともいうのかな」

「お前が言うとちょっときもいな」

「おい!せっかく人が真剣に答えてるのに!」

「わるいわるい」

昴の言葉は俺の胸にたしかに響いた。

奇跡、か。

どれもこれも、今までのことも全部奇跡。


人生は奇跡の連続なんだと。

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