可愛がりたい、溺愛したい。



「依生くんってやっぱり過保護……」


「どこが?これくらいふつうでしょ」


たぶん、ふつうじゃないような気がするけれど。


「そ、その約束守るから……。
わたしからもひとつお願いしてもいい?」


「なーに?
帆乃からのお願いならどんなことでも聞いてあげるよ」


「あ、えっと……、わがままなお願いなんだけどね」


「うん」



「こ、これからもっと可愛くなれるようにがんばるから……。だ、だから、これからもわたしだけ見ててほしいなって……」


依生くんは誰が見てもかっこよくて、王子様みたいで。

少しでも目を離せば、いろんな女の子が狙ってるわけで、簡単にとられちゃいそうなのが少しこわくて。



「……何その可愛いわがまま。
ほんと、帆乃は僕をうまいこと煽ってくるね」


「わがまますぎる…?」

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