私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『本当だな…すごく綺麗だ…』


そう言って、カメラを構えた。


フラッシュをたかないようにして、シャッターを切る朋也さん。


その姿も、やっぱり様になる。


私はその横で、水槽に近づいてマジマジと魚を見た。


遠くから見るのとは、また違う目線で魚達を見れるから楽しい。


可愛い目をしてるとか…


ちょっと怖い顔とか。


一匹で悠然と泳ぐ魚がいれば、群れで泳ぐ魚もいる。


いろいろな習性がわかって、とても面白いんだ。


子どもの頃、魚の世界に魅せられて、ずっと水槽の前から動けなかったのを思い出した。


なかなか帰らない私に、両親はいつまでも付き合ってくれたな…


私達は、時間をかけて隅々までゆっくりと見て回り、時々写真を撮りながら、水族館を満喫した。


『恭香、お腹空いた』


『私もです。何食べますか?』


『いいよ』


『え?いいよって…?』


『さっきみたいに…タメ口でいい。ずっと一緒にいるんだ、もうタメ口でいいだろ』
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