私、強引で甘く一途な御曹司にドキドキさせられっぱなしです!
『恭香ちゃんが誰を好きか、まだ決められないのに、こんなことしたら、ずるいかな…?でも、本宮君じゃなくて、僕と付き合って欲しい』


一弥先輩の顔が、さらに目の前まで迫って来た。


もう、ダメだ…


くちびるが…


触れてしまうよ…


目を閉じる?


もう、あと、数ミリ…


『ダメ』


あ…


私、一弥先輩を突き放した…


なんで?


こんなに好きで、胸が熱くなってるのに。


このまま、一弥先輩と付き合ってしまえばいいのに…


やっぱり…


朋也さんが、私の頭に出て来てしまった。


朋也さんの時と全く同じ。


あの時のことが、フラッシュバックして来た。


もう、嫌…


優柔不断な自分に、心底腹が立った。


私は、梨花ちゃんみたいに、部屋を飛び出した。


大好きだった先輩が、せっかく、好きだって言ってくれたんだよ…


バカだよね、私。


一弥先輩は、しばらく部屋から出て来なかった。


ミーティングルームに戻ったら、梨花ちゃんが座ってた。


『恭香先輩~』


そう言いながら、私の前に来た。


ちょっと…ドキドキする。


何を言われるんだろ。
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