好きになるには理由があります
ドンドンと太鼓の音がして、祈祷が始まる。
清春に大幣で祓われながらも、陽太は家内安全と事業繁栄を祈祷してもらうことにした。
ひんやりとした拝殿で、清春が祝詞をあげ、深月が側に控えている。
こんなときの深月は神々しいような清廉な雰囲気があって、普段とはまるで別人だ。
白く小さな深月の顔を眺めながら、陽太は思う。
神に仕える深月を自分のものにするには、俺が神に近づかねばな、と。
そんな感じに拝殿の中に居る間だけは敬虔な気持ちになっていた。