好きになるには理由があります


 
「川久保常務、お帰りになりました」

 うん、と陽太はわざと顔も上げずに言う。

 ちょっと笑って深月は言った。

「そういえば、さっき、鈴ちゃんが、ネットで服買おうと思って、チノレギンスって入れたら、『血のレギンス』になってたって――」

「仕事しろ」




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