ヴァルハラ☆トライアル
光の粒はスルスルと
彼の体を伝い…

先ほどまで
真っ裸だった体に

七分袖の軍服、
腕には甲冑の小手
ホットパンツにロングブーツ
腰には革製の小袋

を、装備させた。

「おおお……。
ファンタスティック…
さすが大天使さま!!」

『 いえ? ここに慣れれば
あなたも、この程度なら
ご自分で出来ますよ?

と、言うより……
やってもらわねば困ります』

「……にょ?!!」

シリウスは、
さらりと厳しい事を言う。
まだ自分が何者かさえ
分からないのに、
魔法使いのような事を、やれと言うのだ。

「あのー "即戦力"……
とか言ってました…よね?」

彼は恐る恐る聞いてみた。

「まぁ……王子様と舞踏会で
ダンスパーティって格好じゃないですもんね…
どっちかってゆーと
関ケ原でレッツパーリィって感じですもんね…

いったいナニと、
戦うのかも気になる所ですが
きっともぅ……"ヤるしかねぇ!"
って選択肢しか無いんでしょうが……」

『 ? そうですねぇ。
あなたの魂自体が、そう望んで
ここに有るのですから』

"そう望んで"
……つまり、"そう望まぬ"魂は
別の所へ行くようだ。

"きっとあの扉の向こうだろぅ…"

瞬間的に彼は理解したし、
自分がここにいるのも
"自分が望んだ事"と納得もできた。

彼には、忘れてしまってはいるが
ここには…何か、大事な何か…
"成さなくてはならない事"があるように
感じていたからだ。

「えーっと…とりあえず…

………武器…
…とかは……?」

『 ? はて?
無い……ですか?

通常はその者が使い込んだ
愛用のモノや、思い入れのあるモノが
が出現するはずですが……』

「え………俺…丸腰?」

『…………………。
…………会わせたい方がいましてね?』

シリウスは唐突に
別の話しを切り出した。
驚く事に、
大天使ですら分からぬ事があるとは
シリウス自身も初めての事であった。

その事を認めたく無いがゆえに…
この時、はじめて

▼シリウスは
▼スルースキルをマスターした
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