ヴァルハラ☆トライアル

『その方が、裏メシアの
織田信長公です』

彼が助けを求めると、
シリウスはじと目で応えた。

「えぇえ!!今、それ着地かよ?!Σ(´□`;)」
「ってか、信長さまメシアなんですか?!」


「……何の話しだ。儂は大六天魔王……ぞ。

いずれ、この天界も
儂が統べてくれるわ…!」


信長は、その目を野心でギラつかせ、
シリウスを睨みつけた。


『ええ…ですから"裏"なのです』

『まぁ、プロデュースは僕なんだけどね~♪』


どうやら、この3人…
思わくはどうあれ
利害が一致しているようであった。


『その件は、
話すと少々長くなりますので
後ほど手短に説明を……

その前に………』


そう言うと、
シリウスは『コホンっ』と
咳払いで、彼に合図をし
ちょいちょいと腰を指さした。


「え?……腰?」


彼は自分の腰に目をやると、
装備アイテム、革の小袋が
あった事に気付く。
ついでに、信長が彼の太ももを
触っている事にも気付いた。


「ひゃぁああ!!ど、どこ触ってるんですかぁあ」

「むぅ……少し……
たるんでおるのではないか…?
まぁ……ソレはソレでよいであるが」

「よかぁないですよ!!いや、何の話し?!」


若干のショックを受けながら
もう一度、シリウスが
『コホン』と咳払いしたので
革の小袋を思い出す。

手を突っ込むと
なにやら、まぁるいザラザラした物を
掴んだ。

取り出してみると
それは…………

ふわっと甘く香る
よく熟れた"白桃"であった。


「…………もも……?」

「ほぅ 桃…であるか。旨そうだな」

信長は彼の頭に顔をのせ
覗き込んだ。

そう言えば
織田信長は、柿やら、桃やら、瓜やら
小豆やら、金平糖やら、ビスケットなどを好む
意外にも甘党の人であった。


「あ。献上しまーす」


彼が信長の目の前に
桃をチラつかせると、

「むむむ……」と
少し悩んだ様子であったが
桃の甘い香りと…
赤子の尻のような愛らしさに

「………よかろう!!」と

スイーツ男子は、あっさり落ちた。



< 20 / 24 >

この作品をシェア

pagetop