クール王子ととろける溺甘♡同居
「すごいでしょ?この人気ぶり」
「うん。もうわかったから、いこ」
そう言って、振り返りざまにもう一度須永くんに目線を向けてみると。
─────バチッ
えっ……。
彼と、目が合った。
うわっ。
慌てて晒して、舞子に「早く戻ろ」とせかす。
どうしよう……見に来たのバレたよね絶対。
いや、別に私が見たかったわけじゃないんだけど。
イケメンだとは思っていたけど、まさか、学校であんなに注目されてるような人だなんて。
ますます苦手だ。
「まぁ、でも、いいきっかけじゃない?花純にとっては」
「えっ……」
「あいつのことなんて忘れてさ、須永くんと住んで、ちょっとは男の人に慣れるようにすればいいじゃん?男みんながみんなあいつみたいなやつじゃないよ」
唯一、私の男嫌いの原因を知ってる舞子が、人気の少なくなった渡り廊下で静かにそういう。
「……うん」
心のどこかではわかってはいる。
みんながみんなそうじゃないって。
でも、やっぱり、またあんな風に騙されたらって思うたんび、なかなか前に進めない。