クール王子ととろける溺甘♡同居

『小山さん』に戻ってる。
すぐに触れてきたりキスしたり、そういうことを簡単にできる希夜くんだから、名前を呼ぶくらいのこと何ともないって思ってた。

でも、希夜くんにとっては違うことなんだな。

だけど、照れている希夜くんが、いつもと違ってなんだか新鮮で面白くて。

「また小山さんに戻ってるよ」

少し意地悪な言葉をかけてしまう。

「……っ、」

「私は希夜くんって呼んでるのに。すぐに慣れるよ?」

「……楽しんでるね、小山さん」

「うっ、だってなんか、新鮮で。ごめんなさい」

「いいよ。自分でもびっくりしてるから。名前呼ぼうとするだけでこんなに緊張するとか」

『ダサいね』なんて言って軽く笑った希夜くんは、ギュッと私の手を握って引き寄せて、再び顔の距離を近づけた。

「慣れるまで、たくさん呼ぶから」

そう呟いて軽くキスを落としてから、

「……大好きだよ、花純」

頬を赤く染めたままそう言った。
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