焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「冗談はたいがいにしろ……っおい」
「ご飯作ったらすぐに帰りますし、大人しくしてますから。失礼しまーす」
なかば強引にだけど部屋の中に入らせてもらった。
成宮さんは抵抗する気力がなくなったのか好きにしろ、って表情。
間取りは自分の部屋と同じだけど、物が少ないせいか広く感じる。
インテリアもシンプルで洗練された美しさがある。
ローテーブルの上もちゃんと片づいてるし、マメな人なんだな。
「成宮さん熱測りました?」
部屋の観察も早々にしてビニール袋をドサリとテーブルの上に置かせてもらった。
「……7度」
「本当は?」
「8度弱」
七度と八度弱じゃ体感的にキツさは結構違うはずだ。全く、変な意地で誤魔化さないでください。