焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「冗談はたいがいにしろ……っおい」

「ご飯作ったらすぐに帰りますし、大人しくしてますから。失礼しまーす」

なかば強引にだけど部屋の中に入らせてもらった。

成宮さんは抵抗する気力がなくなったのか好きにしろ、って表情。

間取りは自分の部屋と同じだけど、物が少ないせいか広く感じる。

インテリアもシンプルで洗練された美しさがある。

ローテーブルの上もちゃんと片づいてるし、マメな人なんだな。

「成宮さん熱測りました?」

部屋の観察も早々にしてビニール袋をドサリとテーブルの上に置かせてもらった。

「……7度」

「本当は?」

「8度弱」

七度と八度弱じゃ体感的にキツさは結構違うはずだ。全く、変な意地で誤魔化さないでください。

< 46 / 242 >

この作品をシェア

pagetop