焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「うーん……迷う」

ひとりバーの近くにある公園のベンチで頭を悩ませる。

今からバーに行くか行かないか、で悩み始めてどれくらい時間が経っただろうか。

あのお見舞いにいったときのことが頭を過ぎって平常心じゃいられなくなるっていうのもある。

「部屋が隣だからって会えるわけじゃないんだもんなぁ」

生活リズムが違うし、理由もないのに気がひける。

だからってあんまりお店に行ってると面倒なやつだって思われてしまうかもしれないし、でも成宮さんのカクテルも飲みたい。

距離感は気をつけないと。

一回家にあげたくらいで調子に乗るなよってなる可能性はじゅうぶんある。

だって成宮さんだから。

でもちゃんとバーに行ってまた元気にカクテルを振舞ってる成宮さんもみたいし。

スマートな大人の対応って、どうすればいいの?

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