藍と未来の一つ屋根の下
路地に入って公園を通り過ぎると、5歳と3歳くらいの姉弟が砂場で遊んでいるのが見えた。


「おまえ、本当によかったの?」


見慣れた住宅街を運転しながら、藍はここ1ヶ月で何度も確認した言葉をまた口にする。


「俺二人部屋探してたんだけど」


「私は一回も探してない」


「おまえなぁ…」


路地を曲がると、見慣れた家の前に藍は車を停めた。


玄関からすぐに見慣れた顔。


「オッちゃん!」


「ミク!事故らなかったか!藍が運転するって聞かねえからよお、俺気が気じゃなかったよ」


この三年で少し白髪が増えた和夫だった。目尻には少しシワも増えた。
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