藍と未来の一つ屋根の下
「あそこ!」

藍の腕を組んだまま、優は校庭の傍にあるベンチに座った。

「青山君て電車通学なんだね。ホーム同じだから家同じ方面だよね」

「ねえ、今日付き合ってよ」

「は?」

「帰り。一緒に買い物いこ」

「なんで俺?」

「いいじゃん。はい、決まりー」

「部活あるし」

「サッカー部でしょ。終わるまで待ってる」

「今日は無理。悪いな」

藍が立ち上がると優は「また明日」と手を振った。



***



「藍」


自宅の二階に上がるとベッドの上で未来が漫画を読んでいた。


「おかえり」


「めずらしいな」


藍がベッドに座ると未来が抱きついた。


「藍遅かったから先ご飯食べちゃった」


「部活」


「藍って勉強してるか部活してない?」


「おまえ高校入ってから勉強してる?」


「キスしよ」


「なんだよ」


「いいじゃん」


藍の首に腕を回したまま、未来は藍をベッドに倒した。


藍が未来の上に覆い被さる体制になる。


「俺飯食ってねえんだけど」


「藍」


「なんだ」


「なんでキスしてくれないの」
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