藍と未来の一つ屋根の下
デニーズの店内に入ると、4人がけのボックス席から純が手を上げた。

黒とグレーのモノトーンのニットに、黒のボトムスを合わせている。

「お腹空いてるでしょ」

そう言って純はメニューを開いて未来に向けた。

「なんでも好きなもの頼んでいいよ。おごるから」

未来のお腹が鳴った。

ママと外食するときは何でも食べさせてくれるけど、普段は冷凍しておいたおかずやコンビニで済ませることが増えた。

作れば作れるけど、学校と並行するのはなかなか時間も余裕もなかった。

「で、彼氏となにがあったの?」

不意打ちの質問に未来は言葉を詰まらせた。

「なにもない…」

「ふーん。俺の誘いにのってくるなんて珍しいから、喧嘩でもしたかと思った」

未来の心を見透かすように純の瞳がキラリと光る
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