さよなら、Teacher
ヒロがテストで良い点を取れば、決まって秀則はそれ以上の結果を見せる。
いくつかのテストや模試の結果を隠し持っていて、ここぞというタイミングで出してくるのだ。
ヒロの方がピアノの才能があると分かると、秀則はピアノ曲一曲のみを極め、それを披露するやいなや興味が無くなったから、とサッサとピアノを辞め、バイオリン、ギター等様々な楽器に移った。
全てが出来る多才な音楽センスの持ち主。
と見せかけて実は何一つまともに出来なかった。一緒の音楽教室に通っていたヒロだけが知っている。
また、秀則は運動も不得意なのを、団体競技でしかも強いチームに参加し、試合の中で安全な場面にだけピンポイントで出場することで誤魔化していた。選手起用の権限者を金で買収していたのだ。
とにかく、自分を良く見せる為の才能は、ズバ抜けて長けている。そんな兄の攻撃に、ヒロは嫌気がさして次第にドロップアウトしていった。