さよなら、Teacher
恵はヒロと共に会場に入った。

中では多くの人が談笑していたが、ヒロの姿を見ると誰もが会釈する。
流石は丹下の御曹司。こんな華やかな場所でも堂々としていて眩しい。



「あ、ヒロ」

会場の奥に出来ていた人だかりの中から、秀則が手を挙げた。
呼ばれてヒロは、渋々秀則の元に向かう。

「恵さん、こんにちは」
「こんにちは」

秀則の傍らには、純和風美人。ヒロの言っていた通り、今回も連れている女性が違う。

「恵さんが来てくれるのを待ってたんだ。
えーと…」

秀則はキョロキョロと会場を見渡す。

「ちょうど、父さんと話してるみたいだ。ヒロと一緒に、来て」

秀則はヒロと恵を連れて、会場中央に居た父久典のもとへ向かう。



久典は、男性と話し込んでいた。その男性の隣には女性がいて、こちらも丹下夫人と話をしている。

彼らに歩み寄り横顔をみた途端、恵は小さくあっと声を上げ、足を止めた。

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