寂しがり屋の月兎
怖かった。

あの女子に怯えている。

空っぽの微笑みに取り込まれそう。

思い出しては呼吸が荒くなる。

両手で口を押さえたとき、廊下で足音が響いているのに気づいた。

急いでいるようである。

その足音はどんどん近づいて、扉の前で止まった。

どくどくと望の心臓が鳴っている。

鍵が扉に差し込まれて、ガチャリと開いた。

扉を開け放したのは兎田だった。
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