キミの運命の人は俺じゃない
新郎の招待客の中に、ひときわ目を引くイケメンがいた。

長身で涼しげな目元。

席次表を確認する。

゙佐久間湊"

あぁ、同じ大学病院の外科医だ。
同じ勤務先でも大学病院レベルになると、専門の科が違うと顔を会わすことなんてほぼありはしない。

それでも彼は有名人だ。

゙来るもの拒まず"の遊び人。
特定の彼女はけっしてつくらない。

笑顔を見せないクールなイケメン。
女なれしていて、私好みのイケメン、こんな人ならきっとあと腐れなく私のはじめてを捨てるにはちょうどいいのに。

そんなことを考えながら私は、
佐久間湊を酒の肴にしてワインを堪能していた。
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